「裏トモ日記」

福岡県糸島半島にて、
器と暮らしのものKurumianを営む
tomokaの海辺暮らし、日々のできごと。








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戦争とおはぎとグリンピース

 

 

実は読みたくて読んだわけじゃない。

なぜか無性に「読まなくてはならない」気がして、

朝刊で紹介されてすぐイオンの本屋さんに買いに行った。

 

この本は西日本新聞に昭和29年から現在も続く、

読者投稿欄「紅皿」に昭和29年〜39年の間寄せられたもの。

感想を一言で述べるなら「現在形」のパワーはすごい。

読む人を錯覚させる。

 

この本を買ってから毎朝、汗ばむ蝉しぐれの中ページをめくっていると、

昭和20年代と平成28年が入り乱れるような不思議な感覚に陥った。

当時の彼女たちも同じような夏に思いのたけを綴ったのだろうか。

じゅうぶん過ぎる本の余白がさらに想像力を掻き立てる。

 

 

その中「P43 愛国心」という一編を読み、

本当の愛国心は「右」を語るだけの道具にするのは間違いだと心から思った。

児童文学作家の村中李衣さんも「心底しびれた」という表現。

当時の女性の強さと本質を見抜く力に感服した。

 

読み進めるたびに、当時の彼女たちの苦労や悲しみに触れ、

目頭が熱くなったり、自分の甘えや不甲斐なさを思い知ったり。

しかし、底知れぬ悲しみにも向こう側があることを知る。

 

「とっておきのサトウを加え、

とろけるようにおいしいピースのあんこをねり、

二口くらいに食べられるおまんじゅうを蒸して、

たくさん、持たせてくれました。P165 グリンピースより」

 

言葉の表現が瑞々しい。今では何気ない動作や食べ物が、

こんなに愛おしく丁寧に語られている。

現代人は何を生き急いでいるのだろう?

わたしたちは日常をあまりにも雑に過ごしてはいないだろうか?

 

現代人はとうに退化してしまったであろう真の強さとしなやかさ。

日々をいきいきとまっすぐに生きる姿に、尊敬を超えて憧れさえ募る。

物はなくても心の豊かさがここにある。

 

「戦争とおはぎとグリンピース」というタイトルは、

バラバラな名詞をくっつけたのではなく、

戦中戦後を生きた女性たちに共通する悲しみを越えた強さと温かな思い。

そして、彼女たちが願ってやまなかった平和な未来・平成を生きる私たちに

込めた心からのメッセージではないかと思った。

 

この先も、思い出してはページをめくるであろう大切な一冊となりました。

いつか戦争の語り部がいなくなる時、この本の重さに気づく日が必ず来るでしょう。

戦中戦後を現在形という素晴らしい形で一冊にしたためてくださった投稿者の

方々、出版に関わられたすべての方々に感謝いたします。

 

戦争の悲惨さを語るだけではない、

戦地に夫や息子たちを見送った女性たちの真の感情。

平成の私たちもしかと受けとめました。

これからも戦争のない世が続くことをお約束いたします。

 

終戦の日を前に。

 

 

 

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